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作家・佐藤泰志の「函館3部作」最終章で、『花とアリス』『フラガール』に続く蒼井優・三度目の舞を堪能せよ!

2016年09月22日(木)
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作家・佐藤泰志の「函館3部作」最終章で、『花とアリス』『フラガール』に続く蒼井優・三度目の舞を堪能せよ!

作品紹介

オーバー・フェンス

夫婦生活が破綻し、故郷の函館に戻ってきたバツイチの白岩。実家には寄り付かず、職業訓練校に通う彼は、ある日、聡(さとし)という名前の女と出会う。「名前で苦労したけど親のこと悪く言わないで、頭悪いだけだから」という彼女の自由奔放で危うい魅力に、白岩は急速に惹かれていくが…

芥川賞に五度もノミネートされながら、受賞することなく41歳で自らの命を絶った作家・佐藤泰志。北海道・函館市出身の佐藤が作家活動に挫折しかけた際に職業訓練校に通っていた自身の体験を基に描いた原作小説に、映画オリジナルの設定を加えて描かれる、青春「以降」の男女を描いた人間ドラマ。

心洗われる度

 90%

わたし

今日のオススメは『海炭市叙景』、『そこのみにて光輝く』に続く「函館3部作」の最終章『オーバー・フェンス』だよ!

芥川賞に五度もノミネートされながら、受賞することなく41歳で自らの命を絶った作家・佐藤泰志による原作の三度目の映画化なんだ。

ミーちゃん

『そこのみにて光輝く』よかったよね…!

わたし

『海炭市叙景』は、原作の舞台が函館市をモデルとしていることから、函館市民を中心とした有志による製作実行委員会が発足して、北海道出身の熊切和嘉監督にによって2010年に映画化されたんだ。

『そこのみにて光輝く』は、呉美保(お みぼ)監督によって2014年に映画化、第87回アカデミー賞外国語映画賞部門に日本代表作品として出品されたほか、第38回モントリオール世界映画祭最優秀監督賞、キネマ旬報ベスト・テン1位などを獲得したよね。

本作は、その2つと合わせて「函館3部作」と称されていてね、『リンダ リンダ リンダ』、『天然コケッコー』の山下敦弘が監督を手がけているよ!

ミーちゃん

今回の映画は、原作に映画オリジナルの設定が加えられた、とのことだけど、どういう風に変わっているの?

わたし

まず、原作では20代だった主人公を、30代後半〜40代へと変更しているよ。

主人公は、ある事柄から、妻子ともに妻の実家へと送り返して、故郷の函館に戻ってきたバツイチの白岩。実家には寄り付かず、職業訓練校通っているんだ。

この主人公を、オダギリジョーが演じているよ。

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わたし

そして次に、原作者・佐藤泰志による別の短編小説「黄金の服」の女性をヒロインとして取り入れたんだって。

それが、昼は動物園の併設された小さな地元の遊園地で、夜はキャバクラでホステスとして働く、聡(さとし)。

このヒロインは蒼井優が演じているよ。

わたし

それと、この映画ではプロデューサーから「ダンスを入れられないか」という話があったらしいんだ。

ヒロイン・聡の働く動物園には鳥が結構いたので、「鳥が好きで働いていて、ふざけて鳥の求愛ダンスを真似している」という設定になったそう。

ミーちゃん

へー!

わたし

この変更点がね、もうすべて大当たり!

まず主人公の白岩だけど、一見優しいけど、実はあまり他人と深く関わる気がなく、優香演じる別れた妻からも「私のこといらないと思っていたでしょ」と言われてしまうような男性。

離婚の原因も「え、この奥さんがそんなことを?」と思わずにいられない内容で、白岩自身が、女性のプライドやら、嫉妬心やらを傷つけ、狂わせてしまう男性だということがよく分かる。

聡からも「そんな目で見ないで」と言われるシーンがあるんだけど、オダギリジョー本人自身もよく「そんな目」と言われていたそう。そのなんとも女心を狂わせる感じと、そう言った男性特有の、どうしようもないぐらいに魅力的な色気が、オダギリジョー演じる白岩から溢れているよ。

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ミーちゃん

オダギリジョーの魅力…分かる気がする。

わたし

そしてヒロインの蒼井優が、これまた最高!

蒼井優が演じる聡は、とても純粋な分、スマートに生きられず、バランスを失った危うい魅力があふれる女性。

『リリィ・シュシュのすべて』での映画デビューから15年、20代最後の作品となった本作で、彼女が持つ魅力のすべてが発揮されているよ!

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ミーちゃん

しかも、その蒼井優演じるヒロインが踊るんだよね!?

わたし

そうなの!

『花とアリス』でのバレエシーンしかり、『フラガール』でのタヒチアンシーンしかり、蒼井優を躍らせたら最強というのはもう疑う余地もないよね!

今回は「鳥の求愛ダンス」ということで、終わったあとに一気に現実が押し寄せて「やらなきゃよかった」と思う感じがあったそうだけど、その危うさが本当に美しいし、白頭鷲の求愛ダンスを聡と白岩が一緒に踊るシーンでだけは、二人ともとても幸せそうで切なくて涙が出そうだったよ。

ミーちゃん

観たい!それは観たい!

わたし

それぞれに年齢もバックグラウンドもだいぶ違う、白岩の通う職業訓練所の仲間たちも必見だよ。山下監督が「その瞬間を生きている人間たちの映画にしたい」と言った通り、日々その一瞬一瞬を生きている人間たちが描かれているんだ。

山下監督の最高傑作と言っても差し支えない『オーバー・フェンス』で、彼が切り開いた新境地をぜひ体感してね!

  • 原作:佐藤泰志『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』
  • 監督:山下敦弘『リンダ リンダ リンダ』『天然コケッコー』
  • 出演:オダギリジョー、蒼井優、松田翔太、北村有起哉、満島真之介、優香
  • 上映時間:112分
  • 公開日:9月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国公開
  • 公式サイト:http://overfence-movie.jp
  • (C)2016「オーバー・フェンス」製作委員会

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