作品紹介
PK
留学先で悲しい失恋を経験し、母国インドに戻ってきたジャグー。テレビレポーターとして働く彼女は、ある日黄色いヘルメットをかぶり、大きなラジカセを持った奇妙な男を見かける。彼は「神さまが行方不明」と書かれたチラシを配っていた。この男に興味を持ったジャグーは、ネタになるかもと取材を始めるが…。
前作『きっと、うまくいく』で世界中を魅了した監督×主役のコンビが贈る、笑って泣ける社会派ボリウッドムービー。
笑って泣ける度
99%

今週はインド映画の『PK』を紹介するよ!
ミーちゃんはインド映画というとどんなイメージがある?
うーん。歌や踊りのシーンがあるイメージかな!
わかる、わかる!
インドを舞台にした『スラムドッグ$ミリオネア』ですら、真面目な作品なのに最後に唐突にダンスシーンがあって、インドって感じがしたよね。
今回の作品も、歌や踊りのシーンが入っているの?
もちろん!
『PK』は、2013年に日本で公開されて大きな話題となった『きっと、うまくいく』の監督と主演が再度タックを組んだ作品なんだ!

へー!『きっと、うまくいく』も歌あり、踊りありの作品だったよね。
ストーリーも恋あり、友情あり、笑いあり、涙ありでてんこ盛りだったな。
今回の作品は、宗教や信仰について描いている分、『きっと、うまくいく』よりテーマがぐっと社会派になっているんだけど、笑いあり、涙ありの展開は前作と変わらないどころか、よりパワーアップしている感があったよ!
ジャンルも、SF、家族愛、ラブストーリー、ヒューマンドラマ、ロードムービーなどいろんな要素が満載で、ひとことでいうのが難しいぐらい。
そうなんだね!どんなお話なの?
この作品は大きく4つのパートに分けられるよ。
まず最初のパートは、ヒロインのインド人の女性ジャクーが留学先でパキスタン人の青年と出会って恋に落ちるところ。相手がパキスタン人ということで最初は躊躇するジャクーだったけど、彼にどんどん惹かれていくんだ。

そして二つ目は、とある理由で失恋してしまったジャクーが故郷のインドに戻ってきて、テレビレポーターとして働くパート。
ある日、ジャクーは電車の中で「神さまが行方不明」と書かれたチラシを配る奇妙な男と出会うんだ。黄色いヘルメットをかぶり、大きなラジカセを持ち、首にはいろんな宗教のネックレスをぶらさげたその男を、テレビのネタになるかもとジャクーは追いかけるんだけど…。
その男が出会う人びとから「PK(酔っ払い)」と呼ばれるに至る奇想天外なキャラクターが描かれるよ。アミール・カーンは、一度もまばたきをしないという荒技で、このPKを演じているんだ。

たしかに、そんな人がいたら、びっくりして酔っ払いかと思うかもね!


第3のパートは、そのPKが、どうして神様を探すに至ったのかの回想シーン。
PKが街にやってくるまでの旅の様子が描かれるんだけど、とにかくPKの発想がおもしろくて、とっても笑えるシーンがいっぱいだよ。


そして最後は、PKとジャクーが神様を一緒に探していくパート。
と言っても、単純に神様を探すのではなくて、PKの純粋な発想で、宗教や信仰そのものに疑問を投げかけていくんだ。その過程では、PKと宗教の教祖との大論争が起こり、世間を巻き込んでいくよ!
この最後のパートでは、ここまで描いてきた伏線が見事に回収されて、観ている側の感情も一気に最高潮に!終盤は涙が止まらないよ。


すごいおもしろそう…。
インドのようにヒンドゥー教、イスラーム教、キリスト教などたくさんの宗教が混在している国だからこそ描けること・伝えたいことが監督にはあるんだろうね。
PKのセリフを通して伝えられる神様に対する監督の考えはコミカルかつ辛辣で、インド本国では上映禁止運動が起こった地域もあれば、チケットにかかる税金を免除して、より多くの人が観られるようにしたところもあったみたい。
信仰を持たない人も多い日本だけど、テロが多発している今の時代だからこそ観る価値のある作品だと個人的には感じたよ。観終わったあとには、きっといろいろ考えさせられる人も多いはず。

これだけ盛りだくさんなら、153分という長尺でも飽きることなく観られそうだね!
- 出演:アミール・カーン『きっと、うまくいく』
- 監督:ラージクマール・ヒラニ『きっと、うまくいく』
- 上映時間:153分
- 公開日:10月29日(土)より全国順次ロードショー
- 公式サイト:http://pk-movie.jp
- ©RAJKUMAR HIRANI FILMS PRIVATE LIMITED