新たなるイーストウッドの傑作が誕生!「155人の命を救い、容疑者になった男」とは?

作品紹介

ハドソン川の奇跡

2009年1月15日、極寒のNY上空850mで155名を乗せた航空機を突如襲った全エンジン停止事故が起きた。近くの空港に着陸するよう管制室から指示がある中、機長サリーはそれを不可と判断し、ハドソン川への不時着を決断。航空史上誰も予想しえない絶望的な状況の中、技術的に難易度の高い水面への不時着を見事に成功させ、“全員生存”の偉業を成し遂げる。だが、事故後サリーを待っていたのは、彼を英雄視するマスコミ取材の数々と、事故調査委員会からの執拗な追及だった…

のちに“ハドソン川の奇跡”と呼ばれた「USエアウェイズ1549便不時着水事故」を、現在86歳を迎えた巨匠クリント・イーストウッドが描く、真実の物語。

感動度

95%

わたし

突然だけど、イーストウッド監督作品で、ミーちゃんが一番好きな作品って何?


ミーちゃん

えー。好きな作品ばかりで迷うけど『グラン・トリノ』かなぁ。

わたし

あーいいねぇ。私は『ミスティック・リバー』かな。

余談だけど、この作品のDVDが990円で売られているのを見たときに、好きな作品のDVDを買って集めるのをやめたんだよね。


ミーちゃん

う…ちょっとわかる気がするよ。


わたし

まあそれはさて置き!

現在86歳を迎えながらもヒット作を連発しているクリント・イーストウッド監督だけど、またしても傑作が登場したよ。

今日のオススメは「USエアウェイズ1549便不時着水事故」を描いて、アカデミー賞ノミネートも確実視されている『ハドソン川の奇跡』だよ!




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ミーちゃん

この事故のことは覚えているよ!

確か鳥がぶつかって、両エンジンが停止した旅客機が、NYのハドソン川に不時着したんだよね?


わたし

そうなの。

2009年の1月15日、午後3時25分。ラガーディア空港を出発したUSエアウェイズ1549便は、その1分後にカナダガンの群れに遭遇。両エンジンを喪失してから、3時30分にハドソン川に不時着するまで、わずか208秒の間の判断だったんだ。


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ミーちゃん

そんなに短い時間内に起きた出来事だったんだ!


わたし

うん。機長のチェズレイ・サレンバーガー(愛称:サリー)と、副操縦士のジェフリー・B・スカイルズ、そして3人の乗務員は、経験したことのないようなレアケースの事故の中、わずかな時間で最善の判断をして乗客たちを救うんだけど…

全体でもわずか5分ほどの出来事を、96分の映画でどう描いているんだろうと気になっていたんだよね。

実は事故の後、サリーとジェフリーは、国家運輸安全委員会(NTSB)からの厳しい追及を受けることになるんだ。映画では、事故後の展開がリアルな演出で描かれていて、思わず手に汗を握るよ!


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ミーちゃん

乗客・乗員155名は全員無事だったんだよね?

わたし

うん。でも、他の空港に着陸できたのではないか、本当にハドソン川への不時着以外の選択肢はなかったのか、それは乗客の命を危険にさらす行為ではなかったのかと、まるで容疑者のように調査されていくんだ。

事故の調査では、コンピューターを使って本当にサリーとジェフリーの判断が正しかったかどうかのシミレーションが行われていき、精神的にどんどん追い詰められていくよ。

ミーちゃん

事故の裏で、そんなことが起きていたなんて知らなかったよ!


わたし

2001年の9.11以来、NYで起きた飛行機絡みの明るいニュースに、市民やマスコミからは英雄と称えられる一方で、国家運輸安全委員会(NTSB)からは容疑者のように追い詰められていく。

その心の葛藤が、イーストウッドらしい、余分のない、抑えられた絶妙な演出で描かれていて、静かな感動に心を揺さぶられるよ。映時間96分っていうコンパクトさも魅力だし、エンドロールではちょっとしたお楽しみも。

イーストウッド作品というだけで期待してしまう人が多いと思うけれど、この作品も、その期待を裏切らない出来に仕上がっているので、見逃さないでねー!


  • 原題:SULLY
  • 監督・製作:クリント・イーストウッド『アメリカン・スナイパー』、『硫黄島からの手紙』
  • 主演:トム・ハンクス『ダ・ヴィンチ・コード』、『フォレスト・ガンプ/一期一会』、アーロン・エッカート『ダークナイト』
  • 上映時間:96分
  • 公開日:9月24日(土)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
  • 公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/hudson-kiseki/
  • (C)2016 Warner Bros. All Rights Reserved

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作家・佐藤泰志の「函館3部作」最終章で、『花とアリス』『フラガール』に続く蒼井優・三度目の舞を堪能せよ!

作品紹介

オーバー・フェンス

夫婦生活が破綻し、故郷の函館に戻ってきたバツイチの白岩。実家には寄り付かず、職業訓練校に通う彼は、ある日、聡(さとし)という名前の女と出会う。「名前で苦労したけど親のこと悪く言わないで、頭悪いだけだから」という彼女の自由奔放で危うい魅力に、白岩は急速に惹かれていくが…

芥川賞に五度もノミネートされながら、受賞することなく41歳で自らの命を絶った作家・佐藤泰志。北海道・函館市出身の佐藤が作家活動に挫折しかけた際に職業訓練校に通っていた自身の体験を基に描いた原作小説に、映画オリジナルの設定を加えて描かれる、青春「以降」の男女を描いた人間ドラマ。

心洗われる度

 90%

わたし

今日のオススメは『海炭市叙景』、『そこのみにて光輝く』に続く「函館3部作」の最終章『オーバー・フェンス』だよ!

芥川賞に五度もノミネートされながら、受賞することなく41歳で自らの命を絶った作家・佐藤泰志による原作の三度目の映画化なんだ。


ミーちゃん

『そこのみにて光輝く』よかったよね…!

わたし

『海炭市叙景』は、原作の舞台が函館市をモデルとしていることから、函館市民を中心とした有志による製作実行委員会が発足して、北海道出身の熊切和嘉監督にによって2010年に映画化されたんだ。

『そこのみにて光輝く』は、呉美保(お みぼ)監督によって2014年に映画化、第87回アカデミー賞外国語映画賞部門に日本代表作品として出品されたほか、第38回モントリオール世界映画祭最優秀監督賞、キネマ旬報ベスト・テン1位などを獲得したよね。

本作は、その2つと合わせて「函館3部作」と称されていてね、『リンダ リンダ リンダ』、『天然コケッコー』の山下敦弘が監督を手がけているよ!


ミーちゃん

今回の映画は、原作に映画オリジナルの設定が加えられた、とのことだけど、どういう風に変わっているの?


わたし

まず、原作では20代だった主人公を、30代後半〜40代へと変更しているよ。

主人公は、ある事柄から、妻子ともに妻の実家へと送り返して、故郷の函館に戻ってきたバツイチの白岩。実家には寄り付かず、職業訓練校通っているんだ。

この主人公を、オダギリジョーが演じているよ。



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わたし

そして次に、原作者・佐藤泰志による別の短編小説「黄金の服」の女性をヒロインとして取り入れたんだって。

それが、昼は動物園の併設された小さな地元の遊園地で、夜はキャバクラでホステスとして働く、聡(さとし)。

このヒロインは蒼井優が演じているよ。

わたし

それと、この映画ではプロデューサーから「ダンスを入れられないか」という話があったらしいんだ。

ヒロイン・聡の働く動物園には鳥が結構いたので、「鳥が好きで働いていて、ふざけて鳥の求愛ダンスを真似している」という設定になったそう。

ミーちゃん

へー!

わたし

この変更点がね、もうすべて大当たり!

まず主人公の白岩だけど、一見優しいけど、実はあまり他人と深く関わる気がなく、優香演じる別れた妻からも「私のこといらないと思っていたでしょ」と言われてしまうような男性。

離婚の原因も「え、この奥さんがそんなことを?」と思わずにいられない内容で、白岩自身が、女性のプライドやら、嫉妬心やらを傷つけ、狂わせてしまう男性だということがよく分かる。

聡からも「そんな目で見ないで」と言われるシーンがあるんだけど、オダギリジョー本人自身もよく「そんな目」と言われていたそう。そのなんとも女心を狂わせる感じと、そう言った男性特有の、どうしようもないぐらいに魅力的な色気が、オダギリジョー演じる白岩から溢れているよ。



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ミーちゃん

オダギリジョーの魅力…分かる気がする。

わたし

そしてヒロインの蒼井優が、これまた最高!

蒼井優が演じる聡は、とても純粋な分、スマートに生きられず、バランスを失った危うい魅力があふれる女性。

『リリィ・シュシュのすべて』での映画デビューから15年、20代最後の作品となった本作で、彼女が持つ魅力のすべてが発揮されているよ!



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ミーちゃん

しかも、その蒼井優演じるヒロインが踊るんだよね!?


わたし

そうなの!

『花とアリス』でのバレエシーンしかり、『フラガール』でのタヒチアンシーンしかり、蒼井優を躍らせたら最強というのはもう疑う余地もないよね!

今回は「鳥の求愛ダンス」ということで、終わったあとに一気に現実が押し寄せて「やらなきゃよかった」と思う感じがあったそうだけど、その危うさが本当に美しいし、白頭鷲の求愛ダンスを聡と白岩が一緒に踊るシーンでだけは、二人ともとても幸せそうで切なくて涙が出そうだったよ。

ミーちゃん

観たい!それは観たい!

わたし

それぞれに年齢もバックグラウンドもだいぶ違う、白岩の通う職業訓練所の仲間たちも必見だよ。山下監督が「その瞬間を生きている人間たちの映画にしたい」と言った通り、日々その一瞬一瞬を生きている人間たちが描かれているんだ。

山下監督の最高傑作と言っても差し支えない『オーバー・フェンス』で、彼が切り開いた新境地をぜひ体感してね!


  • 原作:佐藤泰志『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』
  • 監督:山下敦弘『リンダ リンダ リンダ』『天然コケッコー』
  • 出演:オダギリジョー、蒼井優、松田翔太、北村有起哉、満島真之介、優香
  • 上映時間:112分
  • 公開日:9月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国公開
  • 公式サイト:http://overfence-movie.jp
  • (C)2016「オーバー・フェンス」製作委員会

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登場人物たちの怒りが交差する-人を信じることの難しさを世に問いかける、衝撃のミステリー話題作

作品紹介

怒り

ある夏の暑い日に八王子で起こった夫婦殺人事件。現場には「怒」の血文字が残されていた。事件から一年後、千葉と東京と沖縄に素性の知れない3人の男が現れた。愛した人は、殺人犯だったのか?それぞれの男を信じようとする者たちに、衝撃の結末が突きつけられる―

“信じる”とは何なのか。とある事件の容疑者の顔写真が公開された際に、自分の知り合いを通報する人が多かったことに驚いたという作家・吉田修一の原作を元に、李相日が監督・脚本を手掛ける。人間の善悪に深く切り込んだ『悪人』のタッグが再び世に放つ、衝撃のヒューマンミステリー。

衝撃度

80%

わたし

今日は話題のヒューマンミステリー『怒り』を紹介するよ。

まず出演者が本当に豪華で、これまでにないような演技を見せているところに注目!彼らの演技を観るだけでも十分に見応えのある作品だよ。


ミーちゃん

『悪人』と同じ原作・監督のコンビなんだね。あの作品も見応えがあったよねぇ。

わたし

今回のお話もかなりヘビーで、観終わったあとの衝撃度は『悪人』以上かもしれない。わたしは原作は未読だったのでなおさら。

正直、あまりの衝撃に、見終わったあとすぐは、例えば残酷なシーンや心理描写が苦手という人には、ちょっとオススメできないかな、と思っていたんだけど…


ミーちゃん

お話自体はミステリーやサスペンスの要素が強いのかな?


わたし

「愛した人は殺人犯なのか?」というコピーにもある通り、冒頭に起きる八王子の夫婦惨殺事件をきっかけに、「もしかしたら犯人かもしれない」3人の男にまつわるストーリーが同時に展開していくんだ。

まず一つ目は、3か月前に突然家出をした愛子(宮崎あおい)と、愛子を東京から連れて帰った父・洋平(渡辺謙)、2か月前にふらりと現れ、洋平と同じ千葉の漁港で働く田代(松山ケンイチ)の話。

8年前に妻を亡くしてから、男手一つで娘を育ててきた洋平。父の職場に、お弁当を届ける内に、愛子と田代は次第に親密になっていくんだけど…。



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ミーちゃん

父としては、素性の知れない男と娘が仲良くしていたら心配だよねぇ。


わたし

二つ目は、昼は大手通信会社に勤め、夜はクラブで出会う男との一夜限りの関係を続けていた優馬(妻夫木聡)と、新宿で悠馬が出会う直人(綾野剛)の話。互いに心惹かれながらも、自分の事を一切話さない直人に、悠馬は不安になっていくんだ。

この二人は役作りのために実際に一緒に暮らしたりもしていたみたい。とにかく役に入り込んでいたよ!



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ミーちゃん

そうなんだね!

わたし

そして三つ目は、沖縄で暮らす高校生の泉(広瀬すず)と、その同級生・辰哉(佐久本宝)、二人が出会うバックパッカーの田中(森山未來)の話。

男と問題を起こした母と、夜逃げ同然で沖縄に来た泉は、辰哉と遊びに来た島で田中と出会い、那覇で再会するんだ。自由に暮らす田中を、泉と辰哉は慕っていくんだけど…。



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ミーちゃん

この中に、事件の犯人がいるかもしれないってことだよね。

わたし

犯人の指名手配写真や、後ろ姿の映像などは、見ようによっては3人とも犯人に見えるような絶妙な感じになっていてね。

だから、最後まで「犯人は誰なんだろう」とドキドキしながら、観ていくことができるんだけど…。この映画の核は「誰が犯人か?」の謎解きではないんだよね。

ミーちゃん

と言うと…?

わたし

原作にはなかった、犯人のプロファイリング的な要素も映画には加えられていたらしいんだけど、犯行の動機についても「こうでした」というハッキリとした答えを渡されるというよりは、観た人それぞれが思いを馳せるような感じかな。

正直、映画を観ながらヒントを集めて行って、誰が犯人かを予想するような作りにはなっていなかったように思う。だから、犯人がわかってスッキリしたとか、そう言った感想は持たなかったな。

見終わった後は気持ちが沈んだし、衝撃的なシーンもあるので、後味が良かった訳ではないように感じていたんだけど…。しばらく経ってからじんわりと色々考えちゃって。


ミーちゃん

どんなことを?


わたし

この映画では、登場人物それぞれが、大小あれど「怒り」を持っていたり、経験したりするんだよね。その過程で徹底的に描かれているのが「人を信じる難しさ」じゃないかなぁと。

もちろん、すぐ人を信じてしまう人もいれば、どうしても疑ってかかってしまう人もいるし。信じていても騙されたり、裏切られたりすることもある。でも人はやっぱり誰かを信じずにはいられない生き物だし、信じたい。そんな気持ちになったよ。

ミーちゃん

誰かや何かを信じているからこそ、「怒り」っていう感情も湧くのかもしれないね。

わたし

ちょっと重い作品だけど、豪華俳優陣のこれまでにないような重厚な演技や、新たな一面が観られることは間違いないし、いろいろ感じたり、考えたりするにはぴったりの映画かもね。


ミーちゃん

そうだね。まずは観てみようかな!


  • 原作:吉田修一
  • 監督・脚本:李 相日
  • 出演:渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、ピエール瀧、高畑充希、池脇千鶴、※宮崎あおい、妻夫木聡 ※宮崎あおいの崎は立つ崎が正式表記
  • 上映時間:103分
  • 公開日:9月17日(土)より全国東宝系にてロードショー
  • 公式サイト:http://www.ikari-movie.com/
  • (C)2016映画「怒り」製作委員会

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一人の女の子としてのジャニス・ジョプリン、彼女の歌声と孤独に迫る103分

作品紹介

ジャニス:リトル・ガール・ブルー

マドンナ、ピンク、シンディ・ローパー、エイミー・ワインハウス。のちの女性アーティストに強烈な影響を与えた「音楽史上最高の女性スター」ジャニス・ジョプリン。27歳という若さで逝った彼女の一人の女性としての内面に迫る。その歌声はどのようにして生まれたのか、なぜ彼女の歌は多くの人の心を掴むのか。

ジャニスが亡くなった年に生まれた監督が、遺族の全面協力のもとに贈る、魂のドキュメンタリー。

心震える度

86%

わたし

今日のオススメは伝説のシンガー、ジャニス・ジョプリンの素顔に迫るドキュメンタリー『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』だよ!


ミーちゃん

ジャニス・ジョプリン!…詳しい?

わたし

もちろん名前は聞いたことはあるものの、彼女の曲や人となりについてはほとんど知らなくて…

本作内で流れる「Move Over(ジャニスの祈り)」とかは耳にしたことがあったけど、曲のタイトルも知らなかった。


ミーちゃん

ぼくもそんなに詳しくないなぁ。若くしてドラッグで亡くなった、というのは知っているけど。


わたし

うん。だから「有名な女性ロックシンガーだよね」という以上の思い入れは特になくて、自分とはあまり縁がないように感じていたんだけどね。

今回『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』を観て、180度見方が変わったよ!



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ミーちゃん

それはどうして??


わたし

今回のドキュメンタリーでは、ジャニスがテキサス州のポート・アーサーで生まれてから大学時代にサンフランシスコに移り住むまでと、その後トップシンガーとして活躍しつつも苦悩し、亡くなるまでを描いているんだけど、そのすべての過程において、彼女の悩みや孤独がとても身近なものに感じられたからかな。

その姿は決して近寄りがたいスーパースターなんかではなくてね。

ミーちゃん

ふーん。確かに、デビュー前のことは何も知らないなぁ。ジャニスはどんな女の子だったの?



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わたし

中学〜高校時代、15歳の頃のジャニスは、雑誌に出てくるようなモデルに憧れる普通の女の子でね。でも、体重が増え、ニキビも増え、外見をからかわれてイジメにあって、自分は雑誌の中のモデルのような女の子にはなれないと思い知るんだ。

ちなみに、わたしも中学生の頃に歯の矯正をしていたんだけど…。男の子たちから「線路」って呼ばれてからかわれていたから、映画の冒頭からもう、他人事とは思えなかったよね…

ミーちゃん

なんか悲しい話だね…

わたし

オースティンのテキサス大学に入学してからも、「学校でいちばんカッコよくない男性」を決めるコンテストで、ジャニスに票を入れた人たちがいたりしてね。

思春期の彼女がどれだけ傷ついたかは、想像に難くないよね。

ミーちゃん

そうだね…歌い始めたのは、この頃から?



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わたし

うん。17歳の頃から黒人ブルーズ歌手をお手本に歌いはじめたジャニスは、大学でもバンドに加わったり、ソロで歌ったりしながらサンフランシスコに移り住むんだ。

ただ、両親は彼女に学校の先生になって欲しかったというような保守的な人でね。両親から期待される自分と、何者かになりたい、目立ちたいという自分の間で、ジャニスは葛藤していたんじゃないかな。ドラッグやアルコールの常習が悪化してしまうんだよね。


ミーちゃん

そうだったんだ…


わたし

その後、映画の後半では、彼女が「ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディングカンパニー」というバンドにヴォーカリストとして加入し、デビューするところから、幾つかのバンドを渡り歩いていくところを、彼女の恋愛模様や、ライブ映像を交えて追っていくんだけどね。

彼女の曲の歌詞は、とても自伝的な内容のものが多くて、彼女がどれほどまでに愛を求めていたか、いかにステージが彼女にとっては生きがいで、またステージを降りたら抱えきれないほどの孤独を感じていたかが伝わってくるんだ。



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ミーちゃん

絞り出すような切ない彼女の歌声には、そんな背景があったんだね。

わたし

そして印象的だったのが、残念ながら彼女にとっての最後のコンサートとなってしまったボストンでの公演の後、高校のクラス会への出席のために報道陣とともにポート・アーサーに帰郷するシーン。そこで会った、かつての高校のクラスメイトたちは、誰一人としてジャニスに話しかけようともしないんだ。

会場で一人浮いているジャニスの寂しそうな顔は、忘れられないよ。その一月後に、ジャニスはロサンゼルスのホテルでアルコールとヘロインの過剰摂取で27歳という若さで亡くなるんだ。


ミーちゃん

なんだかとっても悲しいね…

わたし

うん。でもそんな心の痛みを知っている彼女の歌だったからこそ、これだけ多くの人の心に響いたのかもしれないね。

最後の方で、ジョン・レノンとオノ・ヨーコがインタビューを受けるシーンがあるんだけどね。ジャニスの死を受けて「ドラッグはどうしたらなくせると思う?」という問いに対する、彼らの答えがとても印象的だったよ。


ミーちゃん

これを機に、ジャニス・ジョプリンについて知ってみようかな。

わたし

わたしも曲を聴き直したよ!

ジャニス・ジョプリン没後半世紀を経た今、こういう出会いの機会が改めてあるのも、映画が持っている一つの醍醐味だよね!

約30曲に及ぶ彼女の歌と、遺族やバンドメンバー、恋人たち、そして彼女の直筆の手紙から浮き彫りになるジャニスの姿をぜひ見つけてみてね。



  • 原題:JANIS:LITTLE GIRL BLUE
  • 監督:エイミー・バーグ
  • ナレーション:キャット・パワー
  • 上映時間:103分
  • 公開日:9月10日(土)よりシアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー
  • 公式サイト:http://janis-movie.com/index.html
  • (c) 2015 by JANIS PRODUCTIONS LLC & THIRTEEN PRODUCTIONS LLC. All rights reserved.

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喜怒哀楽てんこ盛り!キラキラ輝く青春を描いた、新海誠監督”メジャーデビュー”作!

作品紹介

君の名は。

山に囲まれた田舎町・糸守町で祖母と妹と暮らす女子高校生の三葉は、町長である父の選挙活動や、家系の神社の風習に嫌気が差し、都会での生活に憧れていた。そんなある日、三葉は東京で暮らす男の子になって都会での生活を満喫する夢を見る。一方、東京で父と暮らす男子高校生・瀧も見たこともない山奥の町で女子高生になっている夢を見る。お互いが入れ替わっていることに気づいた二人は…

2002年のデビュー以来、その圧倒的な映像美でファンを魅了し続けてきたアニメーション映画監督・新海誠による、SFラブファンタジー。

キラキラ度

95%

わたし

今日紹介するのは、公開初週に動員100万人を突破し、興行収入60億円も視野に入ったと言われている『君の名は。』だよ!


ミーちゃん

気になってたー!

わたし

これまでにも『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』などでファンを掴んできた新海監督だけど、前作の公開規模や興行収入を考えると『君の名は。』はその上を行く大・大・大ヒット!

まさに新海監督のメジャーデビュー作品とも言ってもいいんじゃないかな?!


ミーちゃん

これまでの新海監督の作品って、圧倒的な映像の美しさは有名だったけれど、どちらかというと知る人ぞ知ると言うか…。

正直に言うと、ぼくは美しいPVを見ているような、そんな感覚にも捉われるところがあったんだけど。


わたし

わかるよー。でも、今回の『君の名は。』は、これまで新海監督作品を観たことがない方や、むしろ「ちょっと苦手だった」という方でも楽しめるような、圧倒的なエンターテイメント作品に仕上がっているというところがポイントだよ!それも、新海監督の良いところが最大限引き出された形で。

監督自身が「今回は、お客さんに対するサービスを徹底的に意識した作品」「今なら、自分なりのサービスを最高の形で提供できると思った」と話している通り、圧倒的な映像美の中に、魅力的なキャラクターによるストーリーがスピーディーに展開していく、喜怒哀楽てんこ盛りのジェットコースタームービーになっているんだ!

まずは冒頭シーンのカットを見てみて!



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ミーちゃん

はぁー!やっぱりキレイだねー!


わたし

今回の作品の見どころは、個人的には3つあると思っているよ。

ひとつめはストーリー。物語が進むにつれて、この冒頭シーンの背景となる、ある驚きの真相が明らかになっていくんだけど、ここは事前情報なしに観た方が良い意味で裏切られていく楽しさがあると思うので、公式サイトで書かれている程度の情報に留めて観に行くのがオススメだよ!

ミーちゃん

そうなんだね。どんなお話って紹介されているんだっけ。


わたし

主人公は、山奥の田舎町・糸守町で祖母と妹と暮らす女子高生の宮水 三葉。ある事情で家を出ている町長の父の選挙運動や、実家の宮水神社の風習に嫌気が差していて、カフェもない狭い町を出て、都会に憧れている普通の女の子だよ。

そしてもう一人の主人公は東京で父と暮らす男子高生の立花 瀧。彼もまた、クラスメイトと毎日楽しく過ごしながら、バイト先のイタリアンレストランで働く美人でオシャレな女子大生の先輩・奥寺ミキに憧れている、普通の男の子なんだ。



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わたし

そんな二人がある日、お互いに入れ替わっている夢を見てね。

最初はただの夢だと思っていた二人だけど、何度も入れ替わりを繰り返すうちに、お互いにメモを残したり、携帯に日記を残したりして、互いのピンチを切り抜けながら、次第に打ち解けていくんだ。



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わたし

でもそんなある日、突然入れ替わりが途切れてしまって…。

瀧は三葉に会いに行く決心をするんだけど、そこで意外な真実が明らかになるんだよね。


ミーちゃん

き、気になる…!


わたし

ふふふ。ふたつめの見どころは、キャストだよ!

主人公の三葉の声を上白石 萌音(かみしらいし もね)ちゃんが、瀧の声を神木隆之介くんがそれぞれ演じているんだけど、二人ともぴったり!

最近では『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』でもコミカルな演技を見せていた神木くんだけど、本作ではそれぞれが男女が入れ替わった際の声も演じているので注目だよ!


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ミーちゃん

上白石 萌音ちゃん!大好き!『ちはやふる』でもよかったよねぇ。


わたし

そして最後の見どころは、製作陣!

まずは、作画監督にスタジオジブリで『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』の作画監督を務めた安藤雅司さん。どのシーンもとっても美しいよ!

次に、キャラクターデザインに「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」『心が叫びたがってるんだ。』の田中将賀さん。彼の描くキャラクターはとっても親しみやすいよね。

そして、三葉と瀧に続く「三人目の主役」ともいうべき音楽を担当しているRADWIMPS。彼らはこの作品のために「前前前世」「スパークル」「夢灯籠」「なんでもないや」の4曲と、劇伴22曲をすべて手がけていてね。特に主題歌4曲の歌詞と、劇中の映像は大きくリンクしているので、思わず感情移入してしまうよ!

最後に、やっぱり外せないのは今作の企画・プロデュースの川村元気さんかな。彼のプロデュース作品は『モテキ』でも『バクマン。』でも音楽の存在感が強いし、とにかく圧倒的なエンターテイメント性があるよね!


ミーちゃん

豪華だね〜!!


わたし

うんうん。欲を言うなら、わたしも三葉や瀧と同じ高校生の時に見たかったな、ってことぐらいかな!キラキラし過ぎていて眩しかったよー!

最後にこの映画のメイン写真、メイン写真というのは作品のイメージがバラバラにならないために、配給会社や宣伝会社が「映画が紹介される際に何か1枚だけ写真が出るならこの1枚」と選んだ写真のことなんだけど、その写真を貼っておくね。

映画を観た後に、このメイン写真とポスターの写真を見ると「ああ、これはいい写真だなぁ…」って再び思うこと間違いなしだよ!



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ミーちゃん

すごく楽しみになってきたよ〜!!


わたし

ちなみに予告篇も最初の「予告」の方が公式サイトにある情報ぐらいまで、「予告2」の方がもう少し先までの内容なので、事前情報なしで観たい方は「予告」を、キラキラなラブストーリーはちょっと苦手だなぁ、どうしようかなって方には「予告2」がオススメだよ!

この夏、キラキラ輝いて、実は奥が深い、この作品を思いっきり堪能してね!



         

  • 監督・脚本:新海誠『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』
  • 声の主演:神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子
  • 上映時間:106分
  • 公開日:8月26日(金)より全国東宝系にてロードショー
  • 公式サイト:http://www.kiminona.com/index.html
  • (C)2016「君の名は。」製作委員会

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